WORKS

　

関わりを紡ぐ大きな屋根

日本一小さな自治体であるにも関わらず、子育て世代の人口の増加が著しい富山県舟橋村。放課後児童の居場所はパンク寸前でした。この状況を解消するため学童保育施設の設計コンペティションが開催され、濱田修建築研究所との共同で設計者に選定されたプロジェクトです。

私たちは、大きな屋根によって人同士の関わりを紡ぎ、地域を挙げて子供を育む、小さいことを強みにした舟橋村ならではの学童保育施設を目指しました。建築の構成は、内と外の境界には深い軒を設けることや、各室を壁ではなく建具や家具によって仕切るなど、柔軟かつ多様な使い方を受け入れられるよう計画しています。これにより、子供の主体性を育むことと村民の関わり代をつくることがリンクし、両義的な施設利用が可能になると考えました。

ここを巣立った子供がいつかまた親として関われるような、懐の深い建築として使われ続けてほしいと思います。

　

象徴的なシザーストラスの架構によって大屋根を持ち上げ、ハイサイドライトから光を取り込んでいます。

　

職員室からは施設全体を見渡すことができます。これにより、先生の精神的な負担のみならず、移動距離を少なく済ませ、身体的な疲労も軽減したいと考えました。

　

　

園庭にあった桜の木は、子供用の腰掛けに再生しました。

　

　

コンペ時に提案した外観イメージパース