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旗竿テネメント
Tenement house - FLAGPOLE LOT
空のプライオリティ
日照時間が短い北陸において、空には特別な価値があります。これは採光条件やプライバシー確保が難しい旗竿敷地にありながらも、すべての住戸が均しく空に向かい合えることを目指した賃貸長屋です。
敷地は四方を住宅に囲まれながらも、幸い南南東と南南西の空だけはぽっかり開けていました。この抜けを取り込むことが旗竿敷地との和解につながると考え、空に向かい合う立面をつくりました。これによってできる△のスペースは半外部として、生活の幅を拡げる実用的な空間とするとともに、近隣や気候との緩衝材になっています。
賃貸物件にとって、収益性と家賃、良好な間取りや設備は最も優先される価値基準です。それらとのトレードオフではなく、豊かな居住性を建築の工夫によって、無理なくその序列に加えたいと考えました。
敷地は道路側が細長い通路状で、奥にまとまった広さを持っています。竿についた旗のような形状から「旗竿敷地」と呼ばれます。
DATA
- 竣 工| 2023.03
- 所在地| 富山県射水市
- 用 途| 長屋
- 構 造| 木造 2階建
- 延床面積| 299.84㎡(90.42坪)
- 構造設計| TEDOK
- 施 工| (株)イシハラ
- 写 真| dotDUCK(株)